【大学編入記】豊橋技科大(情報・知能工学)
この記事は豊橋技術科学大学のH28編入試験の大学編入記です.大学編入記のまとめはコチラの記事になります.
はじめに
みんな大好き技科大の愛知県にある方です.僕は大学の最終防衛ラインとして受験しました.新潟に長岡技科大という技科大もあるのですが,ガッツリ情報系を学びたいなら豊橋を選んだほうがいい(らしい)です.
最寄りの大きな空港は中部国際空港なのですが,大学からかなり離れているので空路で行く人は結構大変です.ミュースカイとか乗るのは楽しいけどね.
試験日は7月の第1週ごろにあります.東京農工大とかぶってたりしてたような気がします.
試験科目と対策
豊橋技科大は地味に4教科もあります.しかも,かなり珍しく国語があります.
国語(60分)
対策の必要性はほとんどありません.その場で解けます.日本人なら国語で大きな差がつくことはまずないでしょう.留学生は大変かもしれません.ネットにH15の過去問が転がっていて,僕はそれを前日に解いたのですが,結構難しく焦りました.ですが,H26の過去問を友人に見せてもらうとあまりの簡単さに驚きました.国語の過去問を解くなら最近のものを解くといいです.
英語(90分)
こちらもかなり簡単です.例年だと長文読解と単語・文法問題,リスニングといった構成です.使われている単語は平易で,文法も割りと中学レベルです.対策の必要はあまり無いでしょう.国語と英語ではあまり差がつかないと思っていたほうがいいかもしれません.なお,リスニングはテストの初めにあるのではなく,試験中,(僕が受けた年だと)11:30ごろから突如始まるのでそのつもりでいてください.
応用数学(60分)
毎年大問3つ構成で,そのうち一つは必ず確率・統計です.全体的な問題のレベルは易しめです.極稀に旧帝大クラスの問題がポンッと出たりしますが,そんな問題は他の受験生も解けないのであまり気にしなくてもいいです.それ以外の問題を確実に解けるようにしておきましょう.ちなみに,応用数学とは名ばかりで,ベクトル解析や複素解析,ラプラス変換等が出題されることはまずないと思っていいです.他大学と同様に1変数・多変数の微分積分,微分方程式,行列,行列式,そして確率・統計という感じです.徹底演習には豊橋技科大のフーリエ変換の問題が載っていますが,あまり気にしなくてもいいです.
専門(90分)
専門は出願時にジャンルを選びます.僕は「情報・知能工学系」を選択したのでそれについて書きます.
例年だと大問3つ構成で,【1】が数学の少し難し目の問題,【2】がプログラミングやアルゴリズムとデータ構造の問題,【3】が論理回路の問題です.【1】は割りと曲者で,【2】は普段からコード書いている人にとっては簡単,【3】は2・3年の授業で習ったことを覚えていれば問題ない,といった感じです.僕は復習と筑波の専門のための勉強を兼ねて,柴田望洋さんの「アルゴリズムとデータ構造」という本を移動中に読んでいました.柴田望洋さんの本はとにかくハズレがないイメージです.
試験結果と詳細
国語
【1】長文
長文の空所補間,意味説明等,極々普通の国語の問題です.
【2】四字熟語や慣用句の意味選択
【3】漢字
H26同様全体的に非常に簡単でした.出来は7~8割.
英語
【1】海水の成分に関する長文
長文に基づき,T/F,類義語選択,空所補間等オーソドックスな問題です.単語のレベルも易しいので読みやすいと思います.
【2】文法問題
3択の空所補間問題です.こちらも簡単です.こみいった文法事項は出題されず,中学教養レベルでもある程度対応できます.
【3】文法問題
4択になっている以外は【2】と同様です.
【4】並べ替え
こちらも簡単です.
【5】リスニング
リスニングは試験時間が残り30分になったあたりからスピーカーで流れ始めます.
こちらも全体的に簡単でした.ただ,スピーカーが悪いのか,僕の耳が悪いのか,リスニングは何言っているかよくわかりませんでした.多分,他の受験生も「は?何て言ってるの?」って状況だったと思います(思うだけです).出来は7〜8割.
応用数学
【1】微積分
(1)微分
解くだけです.
(2)媒介変数方程式の1階微分,および2階微分
1階微分は定義通りに計算すればいいです.2階微分も定義に従って丁寧に計算すれば解けます.
(3)1変数関数の極値および積分
解くだけです.
【2】線形代数
(1)行列の演算
解くだけです.
(2)行列式
求めるだけです.
(3)2つのベクトル内積,大きさ,およびそれらに直交するベクトルを求める
解くだけです.2つのベクトルに直交するベクトルは連立方程式を解けば解けます.
【3】確率(集合も?)
(1)各種集合を求める
なんでここで集合?って思いましたが,難しくないので解くだけです.
(2)事後確率
定義に従ってベイズの定理を用いれば解けます.
(3)確率
パターンを細かく分けて一つずつについて確率を求めていけば解けます.
確率・統計の最後の小問にあまり自信がないことを除けば概ねできました.出来は9割.
専門
【1】数学
二項定理および二項分布に関する問題でした.二項定理を知らないとかなりキツい問題だったと思います.僕は完答できませんでした.専門科目の数学は何が出題されるかわからないですし,「応用数学」よりもレベル的に難しいのでなかなか苦戦を強いられるかと思います.
【2】アルゴリズム(擬似言語のプログラム穴埋め)
今年は幅優先探索に関する問題でした.普段から競技プログラミング等をやっている人なら特に問題ありませんが,プログラミングに不慣れた人だとかなりキツい問題だったと思います.豊橋技科大に限らず,専門科目が受験科目にある大学を受験するなら早めに競技プログラミングなんかに手を出しておくと試験のときかなり楽できます.
【3】論理回路(7セグメント表示器)
豊橋の専門では典型的な論理回路の問題です.カルノー図や加法標準形といったものを授業でやったことあるなら特に問題なく解けると思います.あとはNANDを用いてANDやORを表現する方法なんかを覚えておくと楽です.
今年の専門は難しめで,【1】は2項定理および2項分布に関する問題と気付けないとキツイ問題でした.【2】はただの幅優先探索のコードの穴埋めでしたが,普段からコード書いてない人には割りとキツかったかもしれません.【3】は例年通りその場でなんとかなりました.【2】で解が求まるまでに関数が呼び出される回数を答える問題を,面倒だったのと時間がなかったのとで解かなかった以外は概ねできていると思います.出来は9割.
合否
合格でした.何人受験して,何人合格したのかはメモるのを忘れていてわかりません.
おわりに
とにかく受験者数が多いです.あと,近くではないのですが,名古屋には「喫茶マウンテン」という大変素晴らしい喫茶店があるので,豊橋を受験した際にはぜひ.
ちなみに,キャプション画像が喫茶マウンテンなのは,豊橋の校門の写真を撮り忘れてしまったからです.
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