【大学編入記】数学の参考書と対策
この記事は大学編入数学に関する記事です.大学編入記のまとめはコチラの記事になります.
参考書
特にオススメのものには☆をつけます.
高専の数学1/2/3 森北出版
僕がいた高専で使っていた教科書です.公式の証明方法の確認や細かい定理の確認のために読み流しました.時間があれば章末問題を全部解いてもいいかもしれません.確実に基礎力はつくと思います.
線形代数分野の公式(直線や平面の公式)は,公式として暗記するのではなく頭の中でイメージしつつ導出できるようにするべきだと思います.実際いろんな場面で役立ちました.1周.
理工系の数理 線形代数 裳華房
僕がいた高専の線形代数の教科書です.線形空間や線形変換の確認に使いました.大学によってはこれらのことも問われるので,しっかりと身につけておいたほうがいいです.とかとか.他高専では授業で取り扱ってないことも多いと聞いたので,鹿児島高専生はこれらの分野に関しては有利かもしれません.ジョルダン標準形とかエルミート行列とかは知識として知っておくといいと思います.必要なところだけ1周.
新訂 応用数学 大日本図書
僕がいた高専の応用数学の教科書です.電通大対策に複素解析のところだけやりました.初め,演習書の複素解析の問題が全然イメージがつかめず,意味が分らなかったのですが,この本を丁寧に公式の導出までやったらむしろ得意分野になりました.留数定理なんかもローラン展開から導けるようになると捗ります.複素解析のところだけ1周.
☆編入数学徹底研究 聖文新社
オススメです.いわゆる徹底研究.基礎が身についたらまずはこの本をやってみるといいと思います.とにかく解説が丁寧でわかりやすいです.この本だけでも割と戦えます.この本が簡単で退屈だなと感じたら早々に徹底演習に移行してしまって,難しいなと感じるなら2周以上するといいと思います.
初めは章末問題とか全然解けなくて挫折しかけると思いますが,気にすることはありません.章末問題には編入試験の中でも難問クラスが多く集められており(たまにかなり簡単な問題もありますが),多くの受験生が本番で解けるかといえば解けないと思います.なので,そういう難問が解けなくても気にせずに,解答を見て解き方を確認して「へぇ~」程度でいいと思います.東大や阪大狙う人は解けなきゃかも知れないですが.1周.
☆数学/徹底演習 森北出版
オススメです.いわゆる徹底演習.イメージとしては,徹底研究の類題を小ボス,章末問題を大ボスとするならば,徹底演習には中ボスがずらずらと並んでいる感じです.とにかく問題の密度がすごいです.ただ徹底研究に比べると解答はそこまで丁寧じゃありません.東工大なら徹底演習だけでも十分対応できると思います.あとたまに載っている数学者の小話みたいなのが面白い.オイラーの死に方とか.2.5周(3週目は飛ばし飛ばし).
☆編入数学過去問特訓 聖文新社
オススメです.いわゆる過去問特訓.徹底研究と同じ著者が執筆していることもあり,とにかく解答が丁寧です.東工大の過去問を解いていてよく分らなかった問題も,過去問特訓で確認したらすんなりとわかりました.明らかな良書です.東工大の問題とその類題だけを1周.
明解演習 微分積分 共立出版
いわゆる明解演習.東大クラスを受験する人がよく解いているイメージです.自分は初め飛ばし飛ばしやっていましたが,東工大クラスなら必要ないなぁと思って途中でやめました.関数を函数と表記していたりと(実は正式な表記は函数),意識の高い,素晴らしい演習書です.
明解演習 線形代数 共立出版
上の線形代数版です.これも微分積分と同じく,東工大クラスなら必要ないなぁと思って途中でやめました.東大クラス受ける人はさらっと通っておくといいと思います.
よくある勉強パターンとしては,「徹底研究→徹底演習」or「徹底研究→過去問特訓」or「徹底研究→徹底演習→過去問特訓」って感じです.一概にどれがいいとも言えないので,勉強のスケジュールと相談して決めてください.
対策
数学は基礎が非常に重要です.普段の定期テストの時にしっかりと勉強していた人であれば大方基礎力はついていると思うので,すぐさま編入試験用の参考書をやっても問題無いと思います.ですが,そうでない人は大雑把にでも数学の教科書を見直すべきだと思います.その際,普段何気なく使っている公式や定理(Taylorの定理や対数関数の微分等)の証明方法も確認しておくと,いろんな場面で役に立つと思います.
また,多くの高専の情報工学科の場合,授業で応用数学をまともに扱わないので,志望校で応用数学が問われるのでしたら独学する必要があります.確率に関しても大学によって一切問われない or 毎年出題される,とかあります.
イメージとしては,北大は応用数学大好き,東北大,東工大は応用数学や確率は出さない,東大は複素解析やフーリエ変換,確率も出す,京大は確率がたまに難しい,阪大は複素解析でかなり難しいの出したりする,九大はやりたいほうだい,って感じです(あくまで僕のイメージです).
物理や化学と違い,数学は高専でも大学教養程度をやっているので,改めて一からやることはまずないと思います.教科書で基本をさらっと復習して,あとはひたすら大学編入試験用の参考書を何周もやって,過去問で仕上げて行く感じで勉強するといいと思います.
例として,僕の勉強の大まかな流れは
- 春休み中に(3月)徹底研究 1周
- 電通大までに(〜6月)徹底演習 2周(と複素解析の勉強)
- 東工大の過去問17年分
- 明解演習を飛ばし飛ばし
- 夏休み入ってから(8月〜)過去問特訓を東工大と東工大の類題のところだけ
- 徹底演習3周目を飛ばし飛ばし
- 東工大直前まで過去問の再確認
って感じでした.特別このやり方をオススメするわけではありません.
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